僕は僕でよかったんだ 奥地圭子/矢倉久泰
 
自分の気持ちをうまく表現できない、だからものに当たるしかすべがなかった
 
壊してしまったものはまた買えるよ。自分を傷つけなくて良かったね。初めて受け止めてもらった。
 
学校=軍隊チック 競争的な雰囲気が何よりもいや
 
1992年民間施設への出席日数が学校の出席日数としてカウントしてもいい通知
1993年民間施設の通学定期摘要
 
1989年12月国連総会で「子どもの権利条約」国連総会で採択
1994年日本では「児童の権利に関する条約」としてようやく批准承認
 しかし、発行に当たり文部省は「いままで通りで良い」通知を教育委員会に
 
フリースクール:学校教育法に従う必要がない 自由な学び
1994年兵庫県立のフリースクール 神出学園(全国初の公立フリースクール)
2000年代「教育特区」制度ができてから各地に登場
 
1997年児童福祉法一部改正 教護院から児童自立支援施設に
  不登校の子どもも生活習慣の改善を目的に入所させようとする動き
  →付帯決議で「不登校を理由に入所させない」
 
子どもの権利条約が締約国で守られているかどうかをチェックする国連子どもの権利委員会は98年6月、日本政府に対して22項目の勧告を出す
@競争の激しい教育制度が子どもの心身に悪影響を及ぼしているので、過度のストレスや学校嫌いを防止する適切な措置を取ること
 
90年代後半、通信制高校生をサポートするサポート校が増えた。不登校生の行き場にもなっている。
サポート校は学校教育法の定めにない教育機関。フリースクールの一種。
主に予備校、学習塾などの民間団体が経営
 
東京シューレが実践しているような、ミーティングという意見表明の保障や社会参加をすべての子どもが行えるように制度化が必要
 
1992年文部省の調査研究協力者会議の最終報告「不登校は誰にでも起こりえる」と方針転換
 
家で育つ子どもや家庭をサポートするプログラム「ホームシューレ」
 
本当の学び
ログハウスづくりで木の性質を知ったり天候に左右されないような作りを学ぶ
ミニトレインづくりで設計で数学が必要になる。サインコサインを勉強
 
多様な成長を保障できるような社会にするためには、新しい法律を作る必要がある。
憲法の下に教育基本法があり、教育基本法の下には学校教育法一本しかない。私たちは教育基本法の下に学校教育法と並んで仮称「オルタナティブ教育法」をつくり、どちらも選べる形にしたいと考えている。
 
 
不登校から脱出する方法 石川瞭子
 
不登校の解決の一歩は、まず親が生活を変なkさせることから始まる。
そして、学校と援助関係者は、親が不登校の解決を主体的に実行するのを援助すべき。
 
不登校の子は父親が実行してほしいと願っている。
父親が不登校の解決の中心を担うことで達成されること=学校と家庭の関係の再構築と子を含む関係者のそれぞれの生活の自立
 
不登校の大半は生活を改善することで解決が可能
解決における父親の役割は重要 「第二の出産」
 
<制度の落とし子として校内型不登校が出現>
1992年文部省「どの子にも宣言」 不登校はどの子にも起こりうること
→「心の居場所づくり」施策を推進
宣言後、保健室や相談室、民間のフリースクールに通うことを出席として認める特例を発令
1995年スクールカウンセラー制度導入
 
しかし現実には多数の便乗組を生み出す→校内型不登校
 
<不登校は今後どうなる、欧米の取組は>
2025年には百万人の大台に達する
現在百万人いると推定されている社会的ひきこもりはどうなるか?
イギリス:不登校50万人
イギリス政府は不登校を許している親に罰金50万円、逮捕も辞さない構え
アメリカ:不登校の子を持つ親に対して50州のうち33州で禁固刑と罰金刑が科される
 
 
「ひきこもり」救出マニュアル(理論編) 斎藤環
 
<不登校とひきこもりの関係>
斎藤の調査結果では全体の86%に3カ月以上の不登校経験を認めた
 
2001年9月文部科学省「不登校に関する実態調査」の結果を発表
不登校事例の2割前後が長期化し、ひきこもっていると推定
 
保健室登校、教育センターや適応指導教室
児童相談所を通じてのメンタルフレンドの訪問活動
民間の支援組織、家族会、フリースクール
 
 
ひきこもりからの脱出 石田一宏 石田かづ子
 
・子ども時代に夜の睡眠が正しく保障されていなかった
・自由こそ子どもの主体的思想や自治能力を育てる
 
<発達のプロセスにおける五つのチェックポイント>
@子どもの好奇心が外に向かっているか
A行動に安心感があるか
B物事に感動する力があるか
C自分の頭で主体的に考えることができるか
D生活リズムと経済を管理する力があるか
 
親を支える体制をつくっていかなければ
 
一人ひとりの個別指導ですまない事態に
大切なのは子どもの「生きる力」の育つ環境作り
親と教師の連携・相互信頼がポイント
子どものために一生懸命しなければならないことは、安心感を与える努力
 
<ひだまりの若者支援の農業活動>
・仲間と一緒に楽しくできる
・働くことを実感できる
・自然や食に対する関心を持てる
・働く意欲を持てる
・様々な人と出会う機会がある
 
 
登校拒否・不登校問題のこれからを考えよう 全国登校拒否・不登校問題研究会
・現在の教育と社会のあり方が変わらない限り、登校拒否・不登校の児童生徒数はまずます増え続ける
 
・文部科学省が集約した小中学校に在籍する登校拒否の児童生徒数は13万5千人
 年間30日以上学校に来ていない長期欠席の児童生徒は21万人(2016年度)
 自殺した中学生の数は100人超
 
・文科省は「不登校に関する調査研究協力者会議」を開催すると共に、「フリースクール 等に関する検討会議」を設置 登校拒否問題とフリースクール問題について検討
 
フリースクール問題に関する議員連盟は、フリースクールの位置づけを中心にした法案に登校拒否問題を強引に結びつけて提案し、すりあわせを重ねた。
しかし、すりあわせを重ねるうちその内容は二転三転し、突然登校拒否・不登校問題への対応を中心とした「教育機会確保法案」として提案 2016年成立
 
<1 戦後70年の中で方をみる>
(1)「生徒の健全育成をめぐる諸問題−登校拒否問題を中心に」 1983年
・登校拒否になる児童生徒を不安傾向が強い、優柔不断、適応性に欠ける、柔軟性に欠ける、情緒的に未成熟
児童生徒個人の問題に原因がある
親にも不安傾向があり、登校拒否が助長されている
家族に一方的に原因を求める
医学者が新聞紙上で「登校拒否が将来のひきこもりに結びつく」と主張
→本人や家族が追い詰められ、親子心中が相次ぐ
 
(2)文部省初中等局「登校拒否(不登校)問題について−児童生徒の「心の居場所づくり」をめざして」(「学校不適応対策調査研究協力者会議」報告)1992年
・1983年の見解を180度変えた
 「登校拒否はどの子どもにも起こりえる」とし、その対応として見守ることの重要性を 指摘
 そして、適応指導教室の設置に心の居場所づくりを目指す
(問題点)
学校のあり方を見直すのではなく、あくまで不登校は学校不適応であり、学校に適応指導するのだという発想に立っていた
→さらに子どもと親を追い詰める
 
(3)文科省「不登校への対応のあり方について」2003年
・キーワードは社会的自立と働きかけ
・一方でSSW活用事業が開始される側面、数値目標で追い込むような政策
・2002年以降約10年にわたり不登校児童生徒数は高止まりしたが、全国一斉学力テストの平均点が自治体ごとに公表されるようになった2013年度には7千名、2014年度は3千名、2015年度も3千名増加
 
(4)「不登校に関する調査研究協力者会議(最終報告)」2016年
問題点
・以前からの提言や報告自体は今でも変わらぬ妥当性がある
・登校拒否がなぜ増えているかの分析がない
・全体が学校復帰のための施策に貫かれている
  教育支援シートも教育支援センターも学校復帰のための投網となっている
 
<2 「教育機会確保法」の問題点>
・法案は当初「多様な教育機会確保」を掲げ「フリースクール等への支援」を主眼とした内容で始まったが、「不登校問題への対応」へと主眼がシフト
 
(1)「不登校」の定義における概念の混乱 「不登校児童生徒」を定義する誤り
・不登校はどの子にも起こりえる問題であるが、「不登校児童性」が定義されることにより一般の子どもから区別され、混乱を生じさせる
(問題点)
1 この定義は「学校における集団生活に関する心理的負担」を登校拒否・不登校児童生徒の第一の要因として挙げ、原因を子どもに求めている。
2 「相当の期間学校を欠席する」ことを登校拒否児童生徒の要因にあげている
 子どもの権利条約では「休養の権利」
学校のあり方を問うシグナルとしてとらえるのではなく、区別する要因として概念化
3 文科大臣が定める基準によって児童生徒に区別を持ち込む
 
(2)学校制度の複線化、年齢主義から課程主義へと導く法の理念
フリースクールの支援と教育制度の改革=複線型学校制度の実現、あるいはフリースクールの公教育化が可能になるとどのような問題が生じるか
1 小学校入学段階で既存の小学校を選ぶかフリースクールなどのオルタナティブ教育を選ぶかの選択を保護者や子どもに求めるようになる
→激しい競争を生む可能性 教育の危機均等をゆがめる危険性
2 全国に500近く存在するフリースクールの二分化が生じる
 規模の大きいフリースクールは公教育化
 小規模フリースクールは公教育化を断念、経済的な援助が受けにくい事態の発生
3 20万人存在する長期欠席者の大多数が学校にも行けない、フリースクールにも行けないという疎外感、置き去り感を強めるのでは
・安倍首相「いじめや発達障がいなど様々な事情で不登校となっている子どもたちが自信を持って学んでいける環境を整える」
           ↓
   異才発掘プロジェクト 一部の登校拒否、発達障がいの子どもから異才という名の   エリートを選抜
   大部分の不登校の子どもの悩み・苦しみとは無縁の考え方
 
(3)「支援」という名の「脅威」
教育支援シートの問題点
1 教師の多忙化を促進
2 客観的な資料の意味を持ちつつ、場合によっては登校拒否の子をフリースクールに照会する厄介払いする機能を果たす危険性
3 情報共有に警察も含まれる
 
教育支援センターの問題点
1 長期欠席の子どものどれくらいが利用しているか(全国的には1割)
2 目的が学校復帰に特化していないか 心の居場所になっているか
3 常勤職員が配置されているか
 
(4)教育の民営化・市場化の危険性
(5)「休養の必要性」について
(6)登校拒否・不登校の児童生徒が増え続けているその原因に踏み込んでいない
国連子どもの権利委員会第3回最終所見「高度に競争主義的な学校環境が、就学年齢にある子どもの間のいじめ、精神的障害、不登校・登校拒否、中退及び自死の原因となっていることを懸念する」
 
<3 登校拒否問題の解決のために>
前島康男氏の仮説
・欧米諸国からも遅れた40人学級をいまだに維持し、しかも欧米諸国ではほとんど存在しない高校入試もあり、さらに全国一斉学力テストで子どもたちを管理し競争させ、苦しめている日本の教育制度・教育政策のあり方に主要な原因がある。
 また、7年連続でGDP比ECD最下位の教育予算という、大切な教育にお金をかけない教育財政のあり方も厳しく問われなければならない
 
・教師一人ひとりが丁寧に子どもに向き合える条件整備を行うこと
・高校入試を廃止し、希望者は誰でも地元の高校に入学できる条件を整えること
・全国一斉学力テストを廃止し、10年に1度の抽出テストに変えること
・世界の中でも最も高い部類に入る高等教育費への援助をはじめ、憲法26条で謳われている義務教育費無償の原則を真に実現していくこと
 
2学校のこれから
法の制定による地方での具体化
夜間中学の設置促進
・埼玉県 県教育委員会が行政と民間関係者による官民連携会議を設け、行政の視点ではとらえきれない当事者の視点からセミナーを開催して、悩みを抱えた保護者が必要とする支援の手がかりをつくり、また不登校を理解したいと考える教員の学ぶ場を提供している。
 
3 兵庫県川西市子どもの人権オンブズパーソンに学ぶ
・子どもの人権を守るためにつくられた公設の相談と救済の機関
 
聞き取った内容を報告書にまとめ、週1回開かれる研究協議(ケース会議)で報告
研究協議では相談員は心理、法律、教育など専門家のオンブズパーソンと共にその内容を分析し、相談者が同意してくれるならば取り組みたい内容を明らかにする。
 
次にオンブズたちは相談者の気持ちを親や教師に、必要な場合は教育委員会に伝える。それを調整という。
 
<川西子どもオンブズに学ぶ3つの視点>
@子ども自身が相談できる相談機関として
 相談機関が子どもの間で認知、子どもの相談が増えている
 市の機関であるにもかかわらず、その独立性と権限が保障されている
相談員とオンブズたちは学校や教育委員会を通さず子どもや親と直接対話ができる
オンブズパーソンや相談員の顔もすべて公表されている
 
A子どもの声を徹底的に聞き取る専門家集団と専任の仕組み
「今日の大きく変化する社会の中で、大人や大人者会が子どもたちの現実に的確に対応していくためには、人格を持つ個人として子どもを尊重するまなざしを、まず大人自身が持つことが必要だといえます。子どもを大人に服従させ従属させる存在としてみたり、大人の目的のための手段のように子どもをみなすことでは、とりわけ今日の社会においては、子どもの現実を受け止めることも、子どもの最善の利益を求めていくことも、極めて困難であると言えます」
 
4 川西市子どもオンブズ誕生の経緯とその理念に学ぶ
子どもの権利条約普及に積極的に努める
 
1 子どもの実感調査を毎年実施し、教育の推進方向を基礎づける
2 子どもたちが自らの権利を行使できる環境を整備する
3 子どもの人権オンブズマン制度を創設する
 
4 どこまでも子ども目線で 「ひよこの家」の12年
ひよこの家(栃木県高根沢町) 公設民営
子どもこそ主人公 学校復帰の選択しかないのはおかしい
 
・教育支援センター(適応指導教室)とは異なる特徴
 表面的な学校復帰を目的としていない
「学習の場であるよりも、何よりも子どもたちが安心して心身を休ませ、自分らしい自分、本当の自分に出会い社会的に自立していくための居場所」(教育委員会)
 
ひよこの子どもたちは100%社会復帰し、高校に進学している
ひよこと学校に行き来は自由
 
・決まったプログラムはない 本人とスタッフで相談して決める
・毎週金曜日には「ひよこサミット」という話し合いの場がある
・様々な団体との交流
・町営
 
 
登校拒否・不登校問題のこれからを考えよう その2
 
1 「ふきのとう」の30年
佐世保市「フリースペース・ふきのとう」2004.4開設
 
2 富山県射水市子どもの権利支援センター(ほっとスマイル)
「自分を元気にしてくれたものは、先生でもなければカウンセラーでもなかった。友だち」同じ悩みを分かち合い、一緒に遊んだり、話したりできる友だち、安心できる居場所、それこそが子どもたちを元気にするのだ
・公設民営方式
設置は行政(家賃と人件費を負担)、運営はNPO法人
・居場所の提供と相談事業、親の会
・本来子ども時代というのは最も自由で、楽しく、遊びに満ちたもの
「子どもの権利条約の精神」
・学校復帰を目的としない 支援の目的にも謳っていない
・目的とするのは、ただ子どもたちが元気になること、そして自己肯定感を回復すること
 
4 教育行政がつくる不登校 足立区版「競争の教育」がもたらしたもの
 
文科省は毎年「問題行動・不登校等実態調査」を実施 2017年版
・暴力行為の発生件数 小学校で激増
・いじめの認知件数がすべての校種で増加
・不登校の児童生徒数は小中学校合計で13万人超
・自殺 東京都で14名
 
「義務教育格差」政策の実験場とされた足立区
・2002小中学校自由選択制
・学校統廃合
・20032期制による授業時間数増
・2004教育特区民間人校長、小中一貫校設置
・2005成果主義を導入した「がんばる学校予算」
・2006学校ごとの学力情報の公表
・2007夏休みの短縮
・2005年度以降毎年学力テスト
2003年から3年間、教職員の死亡が毎年5人ずつ発生 @%を超える26人が精神疾患での病気休職
学力テストによる不正行為
まさにこの時期が不登校発生率の最初の急増期
 
2012足立はばたき塾
 
学力向上を唯一の学校価値とする「足立の教育改革」は、学校と子どもたち、教師とこどもたちなど、それぞれの関係性を大きく転換し、各学校からは子どもたちの安心の拠り所がなくなり、学校は子どもたちが多くの不安を抱き、それを解消させることもできない場へと変えられていった。
 
学校も行政も、不登校は個々の子どもの心の問題としてしかとらえてこなかった。不登校をつくりだす学校の問題という視点を持たなかった。
 
2007年政府は1960年代に中止した「全国学力・学習調査」を復活
民主党政権下の2010年には3割の抽出方式に変更
2013年安倍内閣は悉皆調査を再復活
 
2013年以降不登校は全国的にも急上昇時代を迎える
 
6 教育機会確保法成立その後
確保法成立をめぐる4つの勢力
@自民党内の市場的期制緩和論(教育多様化・一面的能力開発の重視)
Aフリースクールを一条校に並ぶもう一つの教育機関として公的に認めさせようとする学びの場の多様化論
B共同教育及び子どもの権利重視論 フリースクールへの支援は必要と考えるが、学びの場の多様化は教育の市場化を招きかねない
C自民党内の多数は 規制緩和に批判的 義務教育重視
 
教育機会確保法3年後見直しを見据えた理論的・実践的課題
1 学校復帰前提の施策をどう変えるか
→学校復帰を前提としない、子どもの居場所としての「教育支援センター」を全国に広げる
2 フリースクールの「学校化」に対し、フリースクールの独自性をどう確保するか
欧米や韓国などのフリースクールが、公的な支援と引き換えに学校化をおいう圧力の中におかれ次第に管理も進んでいった。相当慎重な舵取りが必要。
 
(4)登校拒否・不登校問題の根本的な解決に向けて(P.105参照)
子どもの権利委員会第3回所見
 
子どもの権利条約市民・NGO報告書を作る会の国連子どもの権利委員会への統一報告書「日本における子ども期の貧困化」
 
福井県議会の意見書(2017年12月)
 
 
こころの科学 212
 
日本財団の調査
全体の10.2%が不登校もしくは不登校傾向にある
現中学生に直接聞いた学校行きたくない理由 学業に関する要因が多く見られた
一方、文科省の調査では家庭に関わる状況や友人関係をめぐる問題が多いとされ
これは文科省の調査対象が年間30日以上の欠席という狭義な不登校に限定、また回答者が教師
学校現場は不登校の要因を正確につかんでいない可能性がある
学校教育のシステムが今の子どもの状況に対応し切れていない
 
 
 
学校の「当たり前」をやめた  工藤勇一
 
注目されている取組
・服装頭髪指導を行わない
・宿題を出さない
・中間、期末テストの全廃
・固定担任制の廃止
 
基本的な考え方
・目的と手段を取り違えない
・上位目標を忘れない
・自律のための教育を大切にする
 
教育の原点
・学校は子どもたちが「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにある。
・そのためには、子どもたちには「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する脂 質」すなわち「自律」する力を身につけさせていく必要がある。
 
精神論ではない 科学的真実にもとづく
クエストエヂュケーション スキルアップ宿泊 ICTの導入
 
学校が変わるために必要なことは何か
・昔の学校を思い出すことです
 
 
 
 
 
不登校の子どもの権利について考える
1992年 文部省の方向転換 フリースクール 通学定期
ホームエデュケーション
1994年子どもの権利条約批准
 
不登校16万5千人 隠れ不登校33万人
教師の多くは法を知らない
 
ブランドン
・楽しくいきたい、自由に生きたい
・自分らしく生きているとは思えなかった
・制服に違和感 平均を求められる
・休職中にしゃべってはいけない
 
・転校 楽しい雰囲気が感じられない 先生はいつも怒っている
・学級崩壊、いじめ
・勉強について行けない 宿題が多すぎる
・学校を休んでも気が休まらない
・東京シューレで友だちと話すこと
 
教育機会確保法
・学校復帰のみを目的としない
・社会的自律を目指して支援する
 
不登校 年間2万人増えている
教育のあり方は学校教育一本ではなく、多様な選択肢が必要
多様な場:フリースクール、シュタイナー教育、イエナプラン、サドベリ−スクール、フレネ教育、インターナショナルスクール、ブラジル学校
ホームエデュケーションを選んだら、学習支援金の対象にしてほしい
通学定期の対象に
 
 
「不登校児童生徒への支援のあり方について(通知)」令和元年10月25日
・平成28年12月「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」公布
・平成29年3月「教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」を策定
・平成30年12月から「不登校に関する調査研究協力者会議」及び「フリースクール等に関する検討会議」において法の施行状況について検討を行い、令和元年6月に議論をとりまとめた。→本通知
 
・教職員研修等を通じ、すべての教職員が法や基本方針の理解を深めること
 
(1)支援の視点
・「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを めざす
・休養の積極的な意味を持つ
 
・教育支援センターや不登校特例校、ICTを活用した学習支援、フリースクール、中学校夜間学級(夜間中学)での受入などの活用
 
(2)不登校が生じないような学校づくり
・いじめや暴力を許さない
・学習状況に応じた指導・配慮の実施
・保護者、地域住民の連携・協働体制の構築
 
(5)中学校卒業後の支援
・相談できる窓口や社会的自立を支援するための受け皿が必要
・社会とのつながりを絶やさない適切な対応が必要
 
<教育支援センター>
・公民協営型の設置も考えられる
・教育支援センターの運営が不登校児童生徒及びその保護者のニーズに沿ったものとなるよう留意すること
 
 
「不登校の子どもの権利宣言」
1.学校へ行く・行かないを自身で決める権利がある
3.学校、フリースクールなどを選ぶ権利がある。大人は学校に行くことが当たり前だという考えを子どもに押しつけないでほしい。
4.安心して休む権利 安心できる環境でゆっくり過ごすことを保障してほしい。
5.ありのままに生きる権利 大人は子どもに対して競争に追い立てたり、比較して優劣をつけてはならない。
11.生き方を認めてほしい。私たちと向き合うことから不登校を理解してほしい。
 
 
新聞報道
◎令和元年度生徒指導上の諸課題に関する調査(文科省)
人数は1.10倍の18万1272人 割合は1.11倍の1.88%
 
◎不登校の児童生徒が自宅でICTを活用して学習した場合に出席扱いにできる制度について、学校現場で依然として理解が広がっていない。
・校長や教員が制度を知らない
 
◎子ども支援活動に補助金 南アルプス市
・子ども食堂や学習支援など子どもの居場所づくりに取り組む市民や団体を支援するため補助金を交付。年間12万円を限度に支援。
 
◎独自の少人数学級で効果 埼玉・和光市
・独自に加配措置
・少人数指導や少人数学級を導入したことで、学力が底上げされ、子どもたちの生活が落ち着いた
 
◎OECD調査 教育費の公的支出 38カ国のうち二番目に低い(2017年)
 
◎大村市教育委員会 居場所提供
・不登校186人のうち10人程度がひきこもり状態
・学校適応指導教室よりも通うためのハードルを低くした
・服装は自由、ゲーム機の持ち込みも許可、
 
◎学校のルール誰のため?
・世田谷区の桜丘中 生徒に考える力、判断力を養ってほしいと校則や定期テスト、チャイムをなくした
・熊本市教育委員会 児童生徒、保護者、教職員を対象に校則についてアンケート、見直しを進めている
・5万人が回答
・児童生徒が校則を作り考える場が必要との回答は子どもも教職員も8割を上回った。