一般質問の要旨  (平成27年9月)

質問者 議席番号 1番  守 岡  等  議員

 


1 国民健康保険制度の改善について

(1) 均等割に対する軽減措置

1番 日本共産党議員団守岡等です。私は月議会に引き続いて、国民健康保険制度の改善について、最初に質問させていただきます。

高すぎる国保税を何とか引き下げてほしいという多くの市民の声が寄せられています。当市は国保基金保有額が平成25年度億円以上あり、一人あたりの保有額では千円と県内で一位の数字になっています。また、国保都道府県化に伴い、一定の国の財政支援が見込まれます。

   今回は国保税の均等割の問題を取り上げたいと思います。

   国保税の算出にあたっては応能割と応益割の基準があります。本来、税や保険料は能力に応じて賦課する応能割が原則となるべきであり、ヨーロッパ諸国ではそれが一般的になっていますが、我が国においては1995年の国民健康保険法改正によって、応益割の比重が高められ、応能割と応益割の比率が5:5となり、低所得者の負担が大きくなっています。

    特に応益割における均等割は、家族の人数が増加すればするほど国保税が高くなり、子どもたちは働いてもいないのに負担を押しつけられています。所得が少なくても世帯人数が多ければ支払うべき保険税が増える制度です。特に生活保護基準をぎりぎり上回っている低所得の世帯が、国保税を払うことによって生活保護基準以下に落ち込む実態があります。        北九州市には多子減免制度というものがあります。これは「前年の世帯所得が300万円以下で18歳未満の子どもが二人以上いる場合、子ども二人目から一定額を所得割額から減免する」というものです。当市においても子育て支援強化の面からも、このような多子減免制度が必要だと考えますが、市長の御所見をお示しください。

 

(2) 医療費の軽減

次に国保税引き下げの問題にも関連して、医療費引き下げの問題を取り上げたいと思います。上山市の平成25年度一人あたり医療給付費は、一般分が県内13市で1位、全県でも位と非常に高くなっています。13市で一番低い新庄市よりも年間約万円も医療費がかかっている計算になります。なぜ上山市の医療給付費が高いのか、身近に医療機関が多く受診しやすい、高齢化率が高い、保健・予防活動が不十分などの様々な要因が考えられますが、本市においても研究機関等との連携による分析が始まっているとお聞きしています。本市の医療費削減につながる有益な調査になるようお願いしたいと思います。

    さて、県及び全国の傾向と同様に、本市においても肺がんや肺炎による死亡が増えています。とりわけ高齢者の肺炎が問題になる中、高齢者の肺炎を防ぐ上で、肺炎球菌ワクチンの接種が有効だといわれています。かつて、北海道の旧瀬棚町では町が率先して高齢者肺炎球菌ワクチン接種の費用助成や啓発を強化することによって国保一人あたり医療費が道内一高かった町に大きな効果をもたらし、劇的に医療費を減らした経験を持っています。その後、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種化となり、当市においては一人4千円、半額程度の助成が行われており、対象者の約半数がワクチン接種を行っているとお聞きしています。

    旧瀬棚町のような劇的な効果が当市でも示されるにはもう少し時間がかかると思われますが、それでも肺炎の死亡率が人口10万対で平成23年の275.4から平成25年には169.7まで減少したと伺っています。肺炎・肺がんを減らし、健康寿命を伸ばし、さらに医療費を削減するために、高齢者の肺炎球菌ワクチンの費用助成を増額したり、対象者すべての人が受けられるような啓発の強化や、喫煙者を減らしていくような政策を講じるべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。

 

(3)  医療費窓口負担の減免

次に医療費窓口負担の問題です。いま、不況が慢性化し、生活が苦しくなったと訴える市民が増えていますが、原則割の医療費窓口負担が生活を圧迫している現状にあります。とりわけ高血圧や糖尿病など慢性疾患の場合、生活が苦しいから医療費を削るというわけにはいきません。慢性疾患患者の場合、薬代・検査料を合わせると1万円以上の窓口負担が生じる場合もあります。

    私の下にはこの間数件の医療費に関する相談があり、山形市内の無料低額診療につなげた事例が件、生活保護につなげた事例が件もありました。無料低額診療を行う医療機関がない当市において、こうした低所得者の窓口負担の問題をどう解決するか真剣に考えていく必要があります。その中で国民健康保険法第44条には経済的困窮者に対する医療費一部負担金を減額・免除する規定が設けられています。しかし、残念ながらこの制度は市民に周知・徹底されず、当市においてこれまで申請・適用になった事例は皆無だと伺っています。いま、経済的問題で必要な医療が十分に受けられない状況が進む中、この国保法44条減免をきちんと機能させ、市民に制度の周知を徹底していくことが必要だと思います。

    そのために、市役所及び医療機関の窓口にポスター等を掲示し、市民に対する制度の周知徹底をはかることを提案します。市長の御所見をお示しください。

 

2 就学援助の充実について

(1) 就学援助の捕捉率の向上

    次に子どもの貧困問題についてお伺いします。日本の子どもの貧困率は16.3%(2012年)に及び、OECD加盟国34カ国中ワースト10と深刻な状況になっています。子どもの人に人が貧困状態にあり、30人学級の人が貧困状態にあります。中でも深刻なのはひとり親家庭世帯で、その相対的貧困率は54.6%に及びます。

    上山市の子どもの貧困率のデータを把握しておりませんが、目安として、たとえば上山市の保育所に通う子どものうち、保育料で、生活保護世帯及び市民税非課税世帯の合計は10.1%という数字があります。貧困率も10%を超えていると予想されます。

     一方、上山市の小中学校の就学援助の受給率は6.7%であり、子どもの貧困率との乖離が見受けられ、全国の就学援助受給率15.3%(平成22年)からも大きくかけ離れたものとなっています。

     このことは本来就学援助が必要な子どもたちに援助が行き渡っていないことを示しており、改善が必要なのではないでしょうか。上山市の就学援助の所得基準は生活保護基準の1.45倍となっており、決して低い数字ではないと思われますが、生活保護受給率の問題と同様、基準を満たしても制度を活用しない人がかなりいるのではないか、無理・我慢を重ねている方がたくさんいらっしゃるではないかと危惧します。

     私が市会議員になってまだヶ月足らずですが、この間だけでも件の生活保護の相談がありました。幸い、福祉事務所で適切な対応をはかっていただき、最低限の生活を保障することができた事例がいくつかありました。しかし、私自身が把握しきれない、行政も把握しきれない事例がこの数倍あるのではないかと思われます。

     子どもの貧困問題も生活保護同様に、顕在化されずくすぶりつづけている事例があるのではないか、経済格差が深刻な教育格差、希望格差にならないよう子どもの貧困問題の対策を講じるべきではないかと考えます。

     そこで次の点について提案します。

    第に、すべての児童生徒に「就学援助申請書」を配布し、申請もれがないように創意工夫を尽くすことです。進んでいる自治体では、就学援助の希望の有無を確認する封書を全員から回収するなど、確実に就学援助制度が浸透するための配慮が行われています。

    に、学校の教師を対象にした説明会を行うなどして、教職員への周知を徹底することです。本市においては担当教師に対する説明会は行われていますが、それが全教職員に徹底されているかどうかはわからないとのことです。子どもたちの家庭の経済状況などの変化に真っ先に気づくのは担任や養護などの先生方です。制度自体を知らないという先生方をなくし、教職員への周知はますます重要になっています。

    このようにして、就学援助の捕捉率を引き上げるための対策を講じていただきたいと考えますが、教育委員長の御所見をお示しください。

 

3 子供の医療費無料化の拡充について

(1) 非課税世帯における18歳までの対象拡大

本市でも子どもの医療費無料化が中学年生まで拡充され、市民からも大変喜ばれています。今後、高校年生までの対象拡大を実施するところも増えることが予想され、すでに遊佐町では今年の月から対象を18歳まで拡大しています。本市でもスピード感をもって取り組むべき課題であり、少子化対策の強化、子育てするなら上山市を大きくアピールするチャンスだと考えますが、その第一歩として当市において非課税世帯における18歳までの拡大を実施してみてはいかがでしょうか。市長の御所見をお示しください。

   以上で第一問を終わります。